いまみてるテレビドラマのこと

テレビはたいていドラマをみるためにつけています

長い休日だが肩は痛い

最高にラッキーなめぐりあわせのカレンダーで夏季休暇らしい休みを満喫中。

 

本を読み、昼寝をし、昼ビールをたまに飲み、ドラマ「グッド・ドクター」を見まくる。

 

とはいえ、肩は痛い。お風呂に入っているときに簡単に動かしているだけだからだろうか。いつかは治ると思っているけれど、左肩の不自由は続いている。

 

『花の子ども』(オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル著 神崎 朗子訳 早川書房)を読む、読みやすくて、食べるシーンがたくさん出て、静かな話で、主人公ではない神父さんの多言語話者でさまざまな言語の映画を3千本も所有し、毎晩映画をみているというのがとてもよかった。

 

主人公は22歳の青年で、一夜をともにしたアンナとの間に娘がいる。フロウラ・ソウルは静かでかわいらしい九ヶ月の女の子だ。

 

結婚する気も一緒に暮らす気もなかったけれど、アンナからの突然の連絡で娘との3人暮らしが始まる。アンナが外国の大学院で人類遺伝学を学ぶことになり、その前に論文を書き上げ、大学院の面接を受け、娘と暮らすを家を探す必要が生じ、その準備にかかる一ヶ月間ほど、娘をあずかってほしいという連絡からロッビの生活は変化していく。

 

ロッビは母娘にくつろいでもらいたいと、慣れない料理をはじめる。修道院のある村に来て二ヶ月、ロッビは一度も自分で食事をつくったことがない。九ヶ月の赤ちゃんが何を食べるのかもまったくわからないが、娘は歯が上に2本、下に4本生えている。やわらかいものであれば食べられるのではないだろうかと考える。

 

そして買ったものはこちら。

じゃがいもが1キロ

仔牛肉のスライスが八切れ(1キロ)

アーティチョークのマリネ100g

水、ミルク、オリーブオイル、はちみつ 各ひと瓶ずつ

チーズ、塩と故障。

 

しかし買ってきたものの仔牛肉の調理法がわからない。

この小説にはインターネットでググるということは一切出てこない。

ロッビは購入した肉屋に戻り、調理法をたずねる。

肉屋は、焼き方を丁寧に教える。

「まずフライパンを火にかけて」

「油を大さじ四杯入れて、肉を焼くんだ。まず片面を焼いたら、ひっくり返してもう片面を焼く。」

という具合に。ソースのつくり方も確認する。

このシーンは大好きで何度も読み返す。

のちにロッビはソースのアレンジで肉料理を何度もつくる。

 

料理のレパートリーを増やしたいと思うロッビは神父さんにも助言を乞う。

映画好きの神父さんは映画でレパートリーを増やすといいといくつか教えてくれるのだが、そのラインナップよ!あまりに印象に残るこの神父さんのセリフは書き残しておきたい。

 

「まず思いつくのは、『コックと泥棒、その妻と愛人』だが、かなり奇抜な映画だし、あまり参考にならないかな。そうすると、『恋人たちの食卓』、『ショコラ』、『バベットの晩餐会』、『赤い薔薇ソースの伝説』、『恋する惑星』。それに『花様年華』あたりだろうか」

 

すごいなあ。九か月の赤ちゃんとの暮らしでレパートリーを増やしたいという彼に、この映画なのか。『コックと泥棒、その妻と愛人』は、神父さんのいうとおり奇抜な映画だと思う。絢爛豪華な映像を思い出してうなずいてしまう。

 

とまあ、急にはじまった3人暮らしが落ち着くのかというと、着地点はそこではない。

ファンタジックな雰囲気も感じるストーリーだが、自分探しをしているロッビとアンナの言葉は正直だ。

 

さて、私とていつ「母親」になれたのだろうか。